20240729153006 Application Note Working With Inverting Buck-Boost Converters

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ドキュメントはこちら。snva856

ABSTRACT

Generating a negative output voltage rail from a positive input voltage rail can be done by reconfiguring an ordinary buck regulator. The result is an inverting buck-boost (IBB) topology implementation. This application report gives details regarding this conversion with examples.

短く

Buck Converterと呼ばれる類の、降圧型のDC DCコンバータは、 +5Vを-5Vにするなど、電圧を反転させることができる。そのやり方と注意点。

個人的に勉強になったところ

Buckコンバータ、入力と出力それぞれの接続方法をいじると、反転コンバータになる。その場合、負の電圧は元の電圧の絶対値よりも低くできる。 たとえば、 +5Vから-12Vを作るなども可能(すごい)。

+の電圧の範囲で、降圧だけでなく昇圧もできるDC DCコンバータは Buck-Boostコンバータという。反転かつ、(絶対値的には)電圧の昇降圧ができるようになるので、この方式の回路をInverting Buck-Boostコンバータ(以下IBB)という。 つまり、Buck-Boostコンバータでなくても、Buck-Boost的な動作をさせることができる。

やること

  • 元の出力だったノードをGNDにする
  • 元のGNDだったノードをV-の出力とする
  • 入力側はそのまま、入口にCを追加する。

元々:

変更後:

  • spiceとかでIBBをシミュレーションする場合、Buckでしか動かないように書いてあるモデルの場合もあるので注意。
  • 正負電源など、コンバータが複数ある場合のために、出力にはクランプダイオードを付ける。

シミュレーションしてみた

20240816 内容を全体的に修正。

説明されていた方法でworkaroundをし、LMR14030で、+15Vを-15Vに変換。

  • データシートはこちら Site Unreachable
  • 出力を2Aくらい取ろうとしたところ、Lの電流は最大で5Aくらいになった。耐電流に注意。LMR14030の場合、5.5A(typ.) でリミッターがかかる。
  • 定常状態に至る以前の過渡状態、つまり出力がどんどん下がっていく時、電流を定常状態よりも多く使う。SoftStartの時間を長くしないと、電流がリミットに達してしまうこともあった。 短かくても2.5ms程度が良さそう。
  • D1の電流が正しく測定できていない。100Aとか流れていることになっている。おかしい。

全体はこんな感じ。

結果。設計値に収束していく。Vinは符号が反転しているので、 -Vin- を表示している。

収束した時の拡大図。リプルが乗りつつ、-15Vになっている。

L1の電流。 5.5A以下になっているからいいのではないか。

電流。 1.5A程度は流したかったので、こんなもんで良さそう。

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SoftStartが短かすぎて、リミッターに当たっている例(C4を0.001uにした)。 L1の電流(青)が5.5A程度になってしばらくするとリミッターが発動してスイッチング動作が止まってしまい、電圧が-8V程度から下がらない。

SoftStart無い、調整できない場合どうすんの

以下は未検証。

Soft Startが無い、固定されていて変更できない、などの場合どうするか?

というのは、この資料に従えばよさそう。 [Extending the Soft Start Time in the TPS63010 Buck](https://www.ti.com/lit/pdf/slva553)

数のようにダイオードとコンデンサをFBに追加。時間はR1とC5の積くらいらしい。

コンデンサの放電ができないので、1Mくらいの抵抗を付けるのもよい。

詳細はオリジナルの資料を参照。そのうち検証してみる。