20240221150355 state variable filterの動作原理

一般的な二次のプロパーな伝達関数はこのように表される。

H (s) = \frac{Y ( s )}{U ( s )} = \frac{b _{2} s ^{2} + b _{1} s + b _{0}}{s ^{2} + a _{1} s + a _{0}} (1)

$X (s)$ を導入して、分母と分子を分割すると、

H_{1} (s) H_{2} (s) H (s) = \frac{X ( s )}{U ( s )} = \frac{1}{s ^{2} + a _{1} s + a _{0}}, = \frac{Y ( s )}{X ( s )} = b_{2} s^{2} + b_{1} s + b_{0}, = H_{1} (s) \cdot H_{2} (s) . (2)

$H_{1} (s)$ の式を変形すると、

X (s) \cdot (s^{2} + a_{1} s + a_{0}) = U (s) (3)

(3)式を展開して、ラプラス逆変換すると、

X (s) \cdot s^{2} + a_{1} X (s) \cdot s + a_{0} X (S) = U (s) \Leftrightarrow \frac{d ^{2}}{d t ^{2}} x (t) + a_{1} \frac{d}{d t} x (t) + a_{0} x (t) = u (t) . (4)

同様に、 $H_{2} (s)$ より、

Y (s) \Leftrightarrow y (t) = X (s) \cdot (b 2 s^{2} + b_{1} s + b_{0}) = b 2 \frac{d ^{2}}{d t ^{2}} x (t) + b 1 \frac{d x}{d t} x (t) + b_{0} x (t) . (5)

(4) の右辺を変形すると、

\frac{d ^{2}}{d t ^{2}} x (t) = - a_{1} \frac{d}{d t} x (t) - a_{0} x (t) + u (t) . (6)

(6)式はブロック図で以下のように表現できる。 ※ この段階ではフィードフォワード方向の伝達関数は含まれていないが、オールパスフィルタが必要で無い限り、実はここまでのブロックでOK。

このブロック図の伝達関数は(2)の $H_{1} (s)$ そのもの。

このブロック図の赤矢印の点からの出力を計算したい。 $H_{1}$ の定義とブロック図上の関係から、以下が求められる。

H_{L P} (s) H_{BP} (s) H_{H P} (s) = a 0 \cdot H_{1} (s) = \frac{a _{0}}{s ^{2} + a _{1} s + a _{0}} = a 1 \cdot s \cdot H_{1} = \frac{a _{1} s}{s ^{2} + a _{1} s + a _{0}} = s \cdot s \cdot H_{1} = \frac{s ^{2}}{s ^{2} + a _{1} s + a _{0}} (7)

それぞれ、

を構成していることがわかる。なぜ、それぞれがローパスやハイパスになるか？については、極、零点とフィルタの特性を参照。

(2)の $H_{2} (s)$ も含めた全体は、こんな感じ。これだと任意の2次の伝達関数が表現できる。

cf.