20240107082803 ユニティゲイン ボルテージフォロワが不可能なオペアンプがあるのはなぜ?

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Texas Instrumentsのこのドキュメントで説明されている。 位相・ゲイン余裕の小さいオペアンプの使用の注意点

直感的な説明

一般にゲインが大きいほど、帰還は少なくなる。ということは、逆に言えばゲインが1のボルテージフォロワは、帰還量が多い。めっちゃ帰還してるということは、発振しやすい。発振しないための条件が、ゲインが大きい場合よりも厳しくなる。帰還にアンプなどを入れて増幅しない限り、全部を帰還させるボルテージフォロワがオペアンプ的には一番ツラい状態。ツラいとは安定して動作する限界に近づいているということ。つまり、ボルテージフォロワってオペアンプを不安定に近い状態で使っているよね。

理論的な説明

Why Unity Feedback is Most Difficult for Stability? 上記に必要なことは書かれているが、open-loop gainという言葉が表現している内容は一般にはループゲインと言われているもの。

The higher the open-loop gain the lower is the gain margin

これが結論ではあるのだが、用語の定義が不明だったため、色々調べることになった。上記の “open-loop gain” はループゲインのこと。この記事以外でも、時々ループゲインの意味でオープンループゲイン/開ループゲイン/open-loop gainという用語を使って解説している記事があるので注意。

20240107103934 発振条件 の条件を満たす回路が(意図せず)できてしまうと、発振する。(そう、気にするべきはループゲイン!) 発振しないようにするには、ループゲインが0dBになる周波数で、位相が180°遅れないようになっている必要がある。 位相余裕とは、0dBになる周波数で、180°よりどれだけ小さいか? の角度のこと。 ゲイン余裕とは、180°位相がズレる周波数で、ゲインが0dBからどのくらい小さくなっているか? の量のこと。 下図みたいになってれば余裕があるので大丈夫。

ところで、この図の周波数特性とかはどこを計測しているのか?というと以外と簡単ではなく、発振するかどうか?を含めた安定性の判定に使いたい場合、回路全体の周波数特性「ではなく」、ループゲインの周波数特性を使う必要がある。 ループゲインって何? というとフィードバックループを戻し先に接続せず、切った状態での、アンプの入口に現れるゲイン。

ループゲインとは? 12:40あたりからくわしい動画 LTspiceでオペアンプのループゲインをシミュレーション - YouTube

9 負帰還 この図の点bでのゲインに-1をかけたもの、と説明されているが、「負帰還を通った後、入力に戻される信号のゲイン」 と考えた方がわかりやすいのではないか。そもそも、点bでは入力も加わっているので、 になっている。その後の還送差の式ではそういう説明がされているので、点bの信号そのものではない。もし、「点bの前にある足し算で、帰還側から入る値」のことを言っているなら、説明がわかりにくくなっている。

負帰還の安定性を検討するには,ループゲインのボーデ線図を描きます. ボーデ線図上で,ループゲインが 0dB になるまでに,位相が  \pm180o 以下であれば,安定です. また別の言い方をすれば,位相が  \pm180o に達するまでに, ループゲインが 0dB 以下になっていれば,安定です. ただし,安定といっても発振しないというだけで, 周波数特性にピークができることはあります.

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理想OPアンプのループ・ゲイン周波数特性は,2nd Poleの位置に45°の位相余裕があります.回路(a),回路(b)ともに,2nd Poleの位置は1MHzです.しかし,回路(a)は10倍の非反転増幅器であるので,位相特性はそのままで,ループ・ゲイン特性が20dB分下にシフトします.従いまして,位相余裕=45°(ループ・ゲイン=0dB)は,回路(b)が近いといえます.

●「.MEAS」で調べた値をプロットする**
 図7は,図4の動作結果をプロットしたものです.また「.MEAS」で測定した位相余裕値を書き加えました.図4の回路(b’)のボルテージ・フォロワのループ・ゲイン周波数特性はOPアンプのオープン・ループ周波数特性であり,図4の回路(a’)の非反転増幅器のループ・ゲイン周波数特性は帰還率(ここでは-20dB)分だけOPアンプのオープン・ループ周波数特性がグラフ内で下に移動しています.このため位相余裕を測定するループ・ゲイン=0dBの周波数も低くなり,
-20dB/decの傾きであることから100kHzになっています.プロットのカーソルで確かめると「.MEAS」で調べた値であることが分かるでしょう.

ループゲインはボルテージフォロワだとオープンゲインそのものになる。

上の図は10倍=20dBの場合のループゲインとの比較。アンプとしての増幅率が高い=ループゲインが少ない=グラフが下に移動する=0dBになるポイントが低周波側に寄る=ゲイン余裕、位相余裕とも増える=安定する!